
・二十四節季 夏至 次候
・七十二候 第29候 菖蒲華(あやめはなさく)
・時期 6月26日~6月30日頃
まもなく6月も終わり。この時期、日本の美しい暦である七十二候では「菖蒲華(あやめはなさく)」を迎えます。これはちょうど、アヤメ科の花が美しく咲き誇る頃です。
特に、日本の風土で育まれ、多様な品種が魅力の花しょうぶが見頃を迎える季節です。
「しょうぶ」はサトイモ科の植物で、花を楽しむ「花しょうぶ」や「あやめ」とは別物なんだそうです。この七十二候が指すのは、まさしく優雅に咲き誇る花しょうぶのことではないかと言われています。
今年の梅雨は、地域によっては雨がそれほど多くない印象ですが、それでも湿度は高く、ジメジメとした日が続いていますよね(まだ梅雨明け宣言は出ていませんが!)。そんな時こそ、旬の食材を取り入れて体の内側からケアしたり、この時期ならではの美しい景色を愛でて心を癒したりすることが大切です。
今年の「菖蒲華」の時期は、旬の食材と美しい花しょうぶの景色で、心身ともに健やかに梅雨を乗り切りましょう!
前回の乃東枯の記事はこちら ↓
花しょうぶの名所:別府「神楽女湖しょうぶ園」の魅力
さて、美しい花しょうぶが見頃を迎えるこの時期に、ぜひご紹介したいのが、大分県民にはおなじみ、別府市にある「神楽女湖(かぐらめこ)しょうぶ園」 です。
私はまだ実際に訪れたことはないのですが、神楽女湖の湖畔に広がるしょうぶ園は、なんと約80種類1万5千株もの花しょうぶが咲き誇る九州有数の名所なのだそうです。
豊かな自然の中に広がる紫や白、ピンクの花々の絨毯は、きっと息をのむほどの美しさでしょうね。湖面に映る花しょうぶもまた格別で、梅雨の時期とは思えないほどの鮮やかな景色が広がると聞きます。
そして、神楽女湖のしょうぶ園は、今「満開」を迎えているそうです!まさに今が一番の見頃。ジメジメとした梅雨の気分も、花しょうぶの美しさを見ればきっと吹き飛んでしまうはずですね。
お近くにお住まいの方や、大分県へお越しの方は、この機会にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?私もいつか、この目で見てみたいと強く思っています。湖のさざ波と、花しょうぶの鮮やかな色彩が、きっと心に安らぎを与えてくれるでしょう。
菖蒲華に食べたい!旬の恵みで健やかレシピ
美しい花しょうぶを愛でた後は、体の内側からも梅雨の疲れを吹き飛ばしませんか?「菖蒲華」の時期に旬を迎える、栄養満点の食材を3つご紹介します。
1. 王様の野菜「モロヘイヤ」で湿邪を払い夏バテ知らず!
ネバネバ野菜の代表格、モロヘイヤ。その栄養価の高さから「王様の野菜」とも呼ばれているんですよ。
ビタミンA、ビタミンC、カルシウム、カリウム、食物繊維などを非常に豊富に含んでいて、まさに天然の総合栄養剤!
薬膳では、モロヘイヤは体を冷やす性質を持ち、体内の余分な「熱」を取り除き、「湿(しつ)」 を解消する働きがあると考えられています。この時期のジメジメした湿気(湿邪)や、これから本格化する夏の暑さによる熱中症対策にも嬉しい食材です。あの独特のヌルヌル成分(ムチンなど)は、胃腸の粘膜を保護し、気の巡りを良くして疲労回復を助ける効果も期待できます。
おすすめの食べ方:
さっと茹でて刻み、おかか醤油で和えるおひたしはもちろん、味噌汁やスープの具材にすると、とろみが出て優しい味わいに。刻んで卵焼きに混ぜるのもおすすめです。熱を加えすぎず、さっと調理することで、モロヘイヤの持つ涼性を活かせます。
2. 甘酸っぱい初夏の恵み「びわ」で潤いを補給し美しく!
初夏を告げるフルーツといえば、やはりびわですよね。あの甘酸っぱくてジューシーな果肉は、梅雨のジメジメを忘れさせてくれる爽やかさです。
実家で時々びわをいただくと、妹がびわが大好きで、よく一人でたくさん食べてしまっていたんです(笑)私の口にはあまり入ってこなかったなぁ、なんて懐かしく思い出します。今は妹が遠くで暮らしているので、心ゆくまでびわを食べられるようになりましたが、大好きな妹におすそ分けできないのは、ちょっぴり残念に思います。
薬膳では、びわもまた体を冷やす性質を持ち、体内の「熱」を鎮め、「肺」を潤す作用があると考えられています。空咳や喉の乾燥、口の渇きなど、体内の「潤い」が不足している時に特におすすめです。また、抗酸化作用のあるβ-カロテンや、体内の余分な水分を排出してくれるカリウムが豊富に含まれているため、美肌やむくみ解消にも嬉しい効果が期待できます。
3. 和洋中なんでもござれ!万能野菜「ズッキーニ」で利水!
きゅうりのような見た目ですが、実はカボチャの仲間であるズッキーニ。クセがなく、どんな料理にも合わせやすい万能夏野菜です。
水分が豊富で低カロリーなだけでなく、カリウムやビタミンCを含んでいます。
薬膳では、ズッキーニも体を冷やす性質を持ち、体内の余分な「湿」や「熱」を取り除く「利水(りすい)」の作用があると考えられています。これは、体内の余分な水分を排出し、むくみを改善する効果に繋がります。油との相性が抜群で、加熱することでさらに美味しくなりますが、その涼しい性質は保たれます。
おすすめの食べ方:
炒め物、煮込み料理、揚げ物、オーブン焼きなど、幅広い調理法で楽しめます。薄切りにして生でサラダにするのも意外と美味しいんですよ。体内の熱を冷まし、水分代謝を助けるので、食欲が落ちやすい梅雨時期の食事にもぴったりです。
[今回のレシピ] 韓国の家庭料理に挑戦!簡単ヘルシー「ズッキーニのジョン」
さて、旬のズッキーニを美味しく、そして薬膳的に体に取り入れるのにぴったり、韓国の家庭料理である「ズッキーニのジョン」です。
「ジョン」とは、韓国で広く親しまれている家庭料理の一つで、薄切りにした肉や魚、野菜などに薄く衣をつけて焼いた、いわば「韓国風のチヂミ」や「一口カツ」のようなもの。シンプルながらも、素材の味を存分に楽しめるのが魅力です。レシピと作ってみた感想は次の記事でご紹介します。
まとめ:旬の恵みと美しい景色で心身ともに健やかに
七十二候「菖蒲華」の時期は、梅雨のジメジメや夏の暑さに備える大切な季節。
今回は、この時期に美しく咲き誇る花しょうぶの魅力と、大分県別府市にある神楽女湖しょうぶ園の満開情報をお届けしました。満開の景色は、きっと日々の疲れを癒し、心に潤いを与えてくれるはずです。
そして、体の内側からは、この時期に旬を迎えるモロヘイヤ、びわ、ズッキーニといった、薬膳的にも優れた食材を取り入れることをおすすめしました。特に、体を冷まし、余分な湿を取り除く働きがあるこれらの食材は、梅雨の不調を和らげるのに役立ちます。
~ 次の七十二候「半夏生(はんげしょうず)」に向けて ~
「菖蒲華」が終わると、いよいよ7月1日からは次の七十二候「半夏生(はんげしょうず)」が始まります。この頃からは、いよいよ本格的な夏の到来を感じさせる日が増えてきます。体調を崩しやすい時期でもありますので、今回ご紹介した旬の食材を継続して取り入れながら、来る夏に向けて体と心の準備をしていきましょう!