
七十二候「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」の記事では、5月5日頃から始まるこの時期におすすめの養生や食材について紹介しました。
高まる陽気に寄り添い、心と胃腸を労わることが大切な時期です。
▼昨日の記事はこちらから
今日は、昨日の記事でご紹介した、この時期の養生にぴったりの薬膳レシピの詳細をご紹介します。

レシピに使われている食材の薬膳的な効果
このレシピで実際に使用している主な食材は、蛙始鳴の時期以降の養生をサポートする薬膳的な効果を持っています。
夏の間までおすすめの食材ですので、ぜひ取り入れてみてください。
あさり
- 薬膳的な特徴: 性味は寒(体を冷やす)
- この時期に期待できる働き: 体にこもり始める余分な熱を冷ます「清熱(せいねつ)」作用や、体内の余分な水分や湿を穏やかに排出する「利水(りすい)」作用があると考えられます。湿気が増え始める時期のむくみや重だるさの緩和に繋がります。
新じゃが(じゃがいも)
- 薬膳的な特徴: 性味は平
- この時期に期待できる働き: 季節の変わり目で弱りやすい「脾(胃腸)」を丈夫にし、「気」(体のエネルギー)を補う働きがあります。胃腸の調子を整え、消化を助けてくれる、この時期の体にとって非常に頼もしい食材です。
スナップえんどう(またはさやえんどう)
- 薬膳的な特徴: 性味は平
- この時期に期待できる働き: 新じゃがと同様に「脾(胃腸)」の働きを助ける作用があります。
にんにく
- 薬膳的な特徴: 性味は温(体を温める)
- この時期に期待できる働き: 体を温めて脾を丈夫にする、気の滞りを動かすといった作用があり、季節の変わり目に滞りがちな心身の巡りをスムーズにするのを助けます。あさりの冷やす性質を穏やかにし、体を温めるサポートもしてくれます。
あさり、新じゃが、スナップえんどうのガーリックオリーブ蒸しの作り方
この一品は、初夏に高まりやすい“陽気”をやさしく整えてくれる、心と胃腸をいたわる薬膳レシピです。
旬の新じゃがとスナップえんどうに、あさりの旨味をしっかりまとわせた、やさしい料理です。
✅材料(2人分)
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あさり(砂抜き済)… 200g
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新じゃが … 2個(小ぶりなら3個)
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スナップえんどう … 5~6本
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にんにく … 1かけ
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オリーブオイル … 大さじ1
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酒 … 大さじ2
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水 … 1/4カップ(50ml)
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しょうゆ … 小さじ1/2
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塩 … 少々
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こしょう … 少々
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パセリ(みじん切り)… 適量(お好みで)
✅作り方
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あさりの下準備
砂抜き済みのあさりは、殻同士をこすり合わせるようにして流水で軽く洗い、表面の汚れを落とします。ザルにあげて水気を切っておきます。 -
新じゃがの下ごしらえ
皮ごとよく洗い、芽を取り除きます。それぞれラップでふんわり包み、電子レンジ(600W)で約4分加熱。粗熱が取れたら皮をむき、4〜5等分にカットします。
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スナップえんどうとにんにくの準備
スナップえんどうは筋を取り除き、にんにくはみじん切りにしておきます。 -
フライパンで蒸し煮にする
フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱めの中火にかけ、香りが立ったら、あさり、新じゃが、スナップえんどう、酒、水を加えます。 -
あさりの口が開くまで蒸す
すぐに蓋をして、火を少し強めにし、あさりの口がすべて開くまで約3〜5分蒸します。あさりは加熱しすぎると身が縮むので、開いたらすぐ火を止めるのがコツです。
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味を調える
しょうゆ、塩、こしょうで味を整えます。やさしめの味つけがおすすめです。 -
仕上げ・盛り付け
器に盛り、お好みでパセリのみじん切りを散らして完成!
✅ひとことメモ
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あさりの塩気により、塩は控えめでOKです。
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あさりの旨味が蒸し汁にしっかり出て、全体がよりまろやかになります。
- じゃがいもは丸いままレンジでチンするとほくほく感と香りが増すそうです。でも皮をむくときに熱くてちょっと時間がかかるので、時短をしたい場合は、最初に皮をむいてカットして電子レンジで加熱してもよいと思います。
おわりに
旬のあさりや新じゃが、スナップえんどうを使った、体と心に優しい蒸し料理です。
私の家では、あさりはお味噌汁や酒蒸しくらいしかしていなかったので
このレシピはちょっと変化が出てよかったです。
じゃがいももとても美味しかったです。
あさりの塩分があるので、最後の味の調節の時は注意してください。
ぜひ、このレシピを参考に、蛙始鳴の時期の養生にお役立てくださいね